2012年1月10日火曜日


C型肝炎の感染物質を発見 新治療法の開発に期待

 C型肝炎ウイルスと結合して肝細胞を感染させるレセプター(受容体)の働きを持つ新たなタンパク質を広島大の茶山一彰教授(消化器・代謝内科)と米イリノイ大の研究者らのチームが突き止め、8日付の米医学誌ネイチャーメディシン(電子版)に発表した。  このタンパク質は「NPC1L1」と呼ばれ、コレステロールを吸収する働きがあるとして知られていた。茶山教授は「NPC1L1の働きを阻害できれば、感染効率は著しく落ちる。新しい治療法の開発が期待できる」と話している。 …[記事全文]

C型肝炎、高脂血症治療薬で感染防止

読売新聞
 小腸からのコレステロール吸収を抑える高脂血症の治療薬に、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染を防ぐ効果があることが、広島大と米イリノイ大の共同研究でわかった。
 将来、がんになる危険性が高いC型肝炎の治療につながると期待される。医学誌ネイチャー・メディシンに9日、発表する。
 広島大病院の茶山一彰院長らは、小腸でコレステロールを吸収する際に働くたんぱく質「NPC1L1」が、肝臓細胞の表面にもあることに着目。ウイルスの体にはコレステロールが含まれているため、NPC1L1がHCV感染にも重要な役割があると考えた。
 人間の肝細胞を移植したマウスをHCVに感染させる実験で、NPC1L1の働きを妨げる高脂血症治療薬「エゼチミブ」を事前に投与すると、7匹のうち5匹は感染しなかった。また、HCVに感染させた細胞にエゼチミブを加えると、HCVの増殖が抑えられた。


 <14:58> 1─3月期のユーロ下限1.18ドルとの声、その前にショートスクイーズも
 ユーロ/ドルは1.2786ドル付近で底堅い。ユーロをめぐっては、積極的に買える材料に乏しく、市場では先安観が強まっているが、一方で積み上がったショートポジションを警戒する声も出ている。
 みずほ証券FXストラテジスト、鈴木健吾氏は、ユーロの先行きについて、1)格下げ懸念、2)中核的自己資本比率(コアTier1)問題、3)国債の大量償還、4)ギリシャやフランスの選挙、5)欧州連合(EU)基本条約の承認手続き問題──など難題が山積していることから、「まだ下はある」とみているが、ショートポジションが積み上がっていることから、「1つ好材料が出れば跳ね上がる素地ができている。1─3月期のユーロ/ドルの下限は1.18ドルとみているが、その手前でショートスクイーズも1回あるのではないか」との見方を示した。「その際は1.3ドルに乗せるとみているが、その程度だろう」という。

東京外為市場・正午=ドル76円後半で上値重い、ユーロ1.27ドル後半で伸び悩み

2012年 01月 10日 12:50 JST
 
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            ドル/円JPY=   ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=
正午現在       76.83/85  1.2763/67  98.06/11
午前9時現在    76.87/89  1.2771/75  98.18/20
NY午後5時現在  76.83/88  1.2766/67  98.11/14
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 [東京 10日 ロイター] 正午のドル/円はニューヨーク午後5時時点と同水準の
76円後半で推移している。77円に手が届かず、やや上値の重さが意識されてきている。
ユーロ/ドルは伸び悩み、1.27ドル後半で小動きに推移した。ユーロの下値不安が根
強く、ショートカバーには限度があるという。

 朝方のドル/円は五・十日需要などからしっかりで推移。「ドル/円を売りたい参加者
がそう多いわけではなく、目先は77円トライの動きになっている」(大手銀行)との声
が上がった。
 ただ、このところ、ドル/円は77円台が重くなってきており、間もなく伸び悩んだ。
ユーロ/円が11年ぶり安値圏で下値模索になっていることが圧迫しているほか、テクニ
カル面ではドル/円の日足一目均衡表が雲を下抜けており(雲の下限は77.40円付近)、
ドルの上値を押さえている。
 また、需給でみると実需の需給には大きなぶれはなく、投機の円買いで水準を切り下げ
たという。直近週のIMM通貨先物では、円の買い越しが5万6481枚と、前週の倍以
上に膨らんでいた。
 市場では「円買いはまだ積み増せそうなほか、中銀系がユーロのポジションを円にシフ
トしている感触もある。システム系も76.30─76.50円を割り込むと売ってくる
可能性があり、やや下値不安が出てきている」(大手邦銀)との声が聞かれる。ただ、ボ
ラティリティが小さいことから円高が加速するイメージは持ちにくいという。
 ドル/円の上値が重くなってきたところで、12日にはガイトナー米財務長官が来日す
る。米国の為替報告書では日本の介入に対する批判が出たが「共和党向けに批判したもの。
介入してほしくないとは思っているだろうが、日本で強く介入批判をすることはないだろ
う」(大手邦銀)との声が出ている。
 ユーロは対ドル、対円とも伸び悩み。9日に一時対ドルで2010年9月以来の安値と
なる 1.2666ドルまで、対円では11年ぶり安値の97.280円をつけていた。そ
の後はショートカバーが入って値を戻したが、アジア時間に入ると伸び悩み、ユーロ/ド
ルは1.27ドル後半で、ユーロ/円は98円前半でそれぞれ狭いレンジ取引になった。
直近週のIMM通貨先物の取組ではユーロの売り越しが過去最高に積み上がっているが、
ユーロの下値不安が根強いことからショートカバーには限度があるという。
 
 <ギリシャ融資での独首相発言は銀行への圧力の面も>

 メルケル独首相は9日の独仏首脳会談のあと、ギリシャ支援をめぐり、民間債権者によ
る自発的な債務再編などを含め、第2次支援に関し大きな進展がみられない限り、次回融
資を実施することはできないとの考えを示した。
 銀行など民間債権者による債務再編協議が難航している。欧州各国の昨年の合意で民間
負担回避が難しくなり、債権者にとって残された選択は大幅債務カットなどに応じるか、
そうでなければデフォルトしかねないという厳しいものになっている。ただ「デフォルト
させればCDSの発動要件を満たすため、CDSでヘッジしていた参加者にとってはかえ
って有利。民間債権者間でもポジションの取り方で利害が分かれる。協議が物別れに終わ
る可能性もあるのではないか」(ステート・ストリート銀行金融市場部長、富田公彦氏)
との声が出ている。
 これに対して、きのうのメルケル首相発言は、民間債権者に対してプレッシャーをかけ
る意味合いがあったのではないかというのが富田氏の見方だ。「必ずしもギリシャ支援撤
回を意図しているのではなく、民間が合意しなければ問題はもっと悪化すると脅しをかけ
た面がありそうだ」という。
 欧州では、月末のEU首脳会議を前に個別の首脳会談が活発化しており、きょうはメル
ケル独首相とラガルドIMF専務理事が、11日にはメルケル首相とモンティ伊首相が会
談する。「互いに連絡を取り合って協調していることも事実。EU首脳会議でどこまで対
応が進展するかはわからないが、何が出てくるのか期待がないわけでもない」(富田氏)
という。

 <独6カ月債入札の平均利回りが初のマイナス>

 ドイツが9日実施した39億ユーロの6カ月物短期債入札では、平均利回りがマイナス
0.0122%となった。定例入札で利回りがマイナス金利となったのは初めて。市場で
は、安全志向の強まりを示したものと受け止められている。ドイツは短期債の入札規定を
今年変更し、利回りではなく価格による入札を可能にした。ただ、応札倍率は1.8倍と
底堅かったが、前回の3.8倍は大きく下回った。
 安全志向の強まりは債券市場だけではない。欧州中央銀行(ECB)によると、商業銀
行によるECBへの翌日物預金は4640億ユーロに達し、過去最高を更新した。運用に
回すより安全性を重視してECBに預け入れる動きが強まっている。
 この裏側で進んでいるのが運用先の選別だ。イタリア中央銀行が9日公表したデータに
よると、イタリアの銀行のECB依存が強まっており、ECBからの資金調達額は昨年
12月に2100億ユーロ近くに達した。
 また、きょうの日銀によるドル供給オペも話題になった。1週間物オペと3カ月物オペ
の合計で155億1700万ドルと、2010年のオペ再開後では最大の応札があり、全
額落札した。「ドルを調達しにくくなっている欧州の銀行が、日本でもドルを取りにきた
ようにみえる」(大手邦銀)との声が聞かれる。