2012年1月6日金曜日



来週の日本株は上値重い展開へ、欧州イベント目白押し

2012年 01月 6日 17:23 JST
 
記事を印刷する |   | 1ページに表示
[東京 6日 ロイター] 来週の東京株式市場は上値の重い展開が想定されている。米景況感の改善が下支えする一方、欧州でのイベントが目白押しで上値に慎重な姿勢が続く見通し。引き続き個別株物色が見込まれ、なかでも決算を発表する小売株に注目が集まりやすいと指摘されている。
日経平均の予想レンジは8300円─8600円。
ロイター調査によると12月米雇用統計の非農業部門雇用者数は前月比15万人増と、11月の12万人増を上回り、2011年第4・四半期の米経済の足取りがしっかりしたものだったことを示す証拠がまたひとつ増える見通し。週間の新規失業保険給付申請件数の最近の減少ぶりを考えると、12月の雇用統計は予想外に上振れする可能性があるという。市場では「米雇用統計の良好な数値を確認できれば、米景況感の回復期待が一段と高まり、株価の堅調な展開が見込まれる」(マネックス証券チーフストラテジストの広木隆氏)との声が聞かれている。
半面、欧州債務問題に対する警戒感が上値を引き続き圧迫しそうだという。東京市場が休場となる9日には独仏首脳会談が開催されるほか、11日に独伊首脳会談、12日に欧州中央銀行(ECB)理事会などイベントが目白押し。スペインやイタリアなど国債入札に対する注目度も高まっている。
大和証券・投資情報部次長の西村由美氏は、米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)が20台前半と落ち着いて推移しており、急激な下押しリスクは乏しいと指摘。ただ「欧州情勢に対する懸念は完全に払しょくされるものではなく、週を通じて欧州にらみの展開を余儀なくされる」といい、上値は積極的に買いづらい状況が続くとみられている。
外資系証券トレーダーによれば「今年に入り海外勢による下値拾いの動きが目立ち始めた」と指摘されているが、日経平均8600円以上では実需勢の売りが控えるといい、強気にはなりづらいという。テクニカルでも75日移動平均線(8585円78銭=6日時点)が当面の上値目途として意識され、同平均線を上抜くほどの買い材料は見当たらないとの見方が大勢だ。
指数の上値の重さが意識されるなか、引き続き個別株主導の展開が見込まれている。短期資金による低位材料株物色のほか、小売株の決算が手掛かり材料になるという。6日引け後にはセブン&アイ・ホールディングス(3382.T: 株価ニュースレポート)やイオン(8267.T: 株価,ニュースレポート)が順調な決算を発表したほか、10日にはローソン(2651.T: 株価ニュースレポート)、12日にはファーストリテイリング(9983.T: 株価ニュースレポート)が決算発表を予定している。円高デメリットを受けにくい内需・好業績株として投資資金が向かいやすいとみられている。
また米国企業の決算ではアルミ大手のアルコア(AA.N: 株価企業情報レポート)(9日)、石油大手のシェブロン(CVX.N: 株価企業情報レポート)(11日)、金融大手のJPモルガン・チェース(JPM.N:株価企業情報レポート)(13日)などが予定されている。
(ロイターニュース 杉山容俊)

0 件のコメント:

コメントを投稿